常に言われるマネージャーや先輩社員の声
「自分でちゃんと考えて、主体的に行動してほしい」
「言われたことだけやってほしくない」
「もっと自分から積極的に意見をいってほしい」
メンバーに対して、こんな悩みを持っている方は多いのではないでしょうか。
私自身、常々上司からこんなフィードバックをもらい続けました。
企業研修に同席していると、新入社員のOJT〜マネージャーまで、
この手の悩みの声が出ないことはありません。
「自律」というキーワードで語られることも多いですね。
主体性をもってもらうために必要なこと
結論、一人一人が主体性を持つためには
プロセスに参加すること
自分で決める経験をたくさんすること
が、重要だと思います!
プロセス参加
学習する組織という名著のなかで、「共有ビジョン」というテーマが登場します。
今日、「ビジョン」は企業のリーダーシップではお馴染みの概念である。
ピーター・M・センゲ著、学習する組織 システム思考で未来を想像する、2011年6月30日、英治出版株式会社発行
しかし、注意深くみてみると、ほとんどの「ビジョン」は一人の人間(あるいは一つの集団)のビジョンを押し付けたものだとわかる。
そのようなビジョンでは、せいぜい従うことを強要するくらいであり、我が事として責任をもって取り組むこと(コミットメント)はおぼつかない。
共有ビジョンは多くの人が心から打ち込めるビジョンであり、それは共有ビジョンに自分自身の個人ビジョンが反映されているからなのだ。
学習する組織では、共有ビジョンを作ることの大切さや、個人のビジョンを奨励する必要性が語られています。
昨今、「企業パーパス」を定める動きが盛んです。
しかし、パーパスが役員以上の特定メンバーだけで決められてしまった場合、
社員一人一人が共感できる内容になるでしょうか。
学習する組織で示唆されているのは、「当事者としてプロセスに参加すること」だと思います。
一人一人がパーパスについて考える機会があればこそ、
共感できるパーパスになるのではないでしょうか。
ビジョンやパーパスといった大きな話でなくとも、
なにか新しいことを始める時に、
トップダウンではなく、決定のプロセスに参加していることが大切だと感じます。
自分も当事者として一生懸命考えたからこそ、その後の腹落ちにつながります。
検討のプロセスに参加したからこそ、主体的に行動できるようになります。
プロセス参加の中でだした意見が、最終的に通らなくたって構いません。
誰かが勝手に作った方針ではない。自分も検討に加わったのだ!ということが大切です。
自分で決める経験を増やす
同様に、常日頃からどれだけ「自分で決定して行動しているか」も主体性に大きく関わります。
「主体性を持て〜〜〜〜」と上司はいいます。
しかし、実際の仕事はトップダウンばかり。
マストのタスクで溢れている。
自分でやり方を決められる余地なんてほとんどないよ。
そんな環境では、主体性が養われるわけがない。
「自分で決める!」
シンプルですが、これを繰り返すことが、主体性につながります。
みんなで対話して決める
今、私も営業組織を強くするため、色んな企画をしています。
しかし、リーダー陣で「これが課題だ!もっとこうしよう!」と旗を振っても、泣かず飛ばず。
そこでやっているのが、「対話の場づくり」。
- 今の営業組織の良いところと、もっと良くなるところについて対話する
- それを踏まえて、今後やっていきたいことを考えてみる
- 自分自身が組織のため、自己成長のために行動することを考え、決める。
具体的な施策・アクションは決めずに、まずは対話の場を設ける。
そこで出てきたことをヒントに、取り組みを決める。
これは組織開発では極めてオーソドックスな取り組みです。
何か新しいことをやるとき、特に重要な方針変更の際などは
このように丁寧に対話の場を設けて進めると、結果として大きなドライブができると思います。
まとめ
以下、ポイントをまとめます。
- 主体性を養うためには「プロセス参加」が有効
- 「自分で決める」経験を日頃から積み重ねることも大切
- 上述の活動が、結果的に大きなドライブ力につながる。
主体性が足りない〜と思ったら、ぜひこのような営みを大切にしてみてください。
それがメンバー一人ひとりの「いきいき働く」につながります!
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